AI動画作成ツールは種類が増え、「どれも同じように見える」と感じる方が多いはずです。ただ、同じ「動画を作るAI」でも、得意な工程も向いている用途もまったく違います。映像表現を生成するもの、人物アバターが話すもの、テンプレートを編集するもの、広告制作に特化したものでは、広告運用での使い勝手が大きく変わります。
この記事では、AI動画作成ツールを機能タイプ別に整理し、広告制作の目的や社内体制に合わせた選び方の基準を解説します。企画から配信後の改善まで、どの工程をAIで効率化できるのか、商用利用や品質面でどこに注意すべきかも押さえます。最後に、そのまま使えるチェックリストと選定フローを用意しました。
AI動画作成ツールは4つの機能タイプに分けて考える
ツール名や料金から比べ始めると、判断軸がぶれやすくなります。まずは「何を入力すると、何が出てくるか」で4タイプに分けると整理しやすくなります。

| タイプ | 入力と出力の例 | 得意なこと | 広告運用での注意点 |
|---|---|---|---|
| テキスト・画像から生成するタイプ | 文章や静止画を入力し、映像クリップを生成する | 実写撮影が難しいイメージ映像や、短いビジュアル素材の作成 | 意図どおりの映像に調整する試行回数が必要。訴求や台本は別途設計する必要がある |
| アバター・ナレーションで話すタイプ | 原稿を入力し、人物アバターや合成音声が話す動画を作る | 解説、説明、研修、商品紹介など、話して伝える動画 | 広告ではクリエイティブが似通いやすい。表現の自然さや好みの確認が必要 |
| テンプレート編集型 | テンプレートに素材や文言を当てはめて編集する | 既存素材を使った動画の素早い仕上げ、サイズ展開 | 訴求の設計や素材の用意は人が担う。仕上がりはテンプレートの質に左右される |
| 広告制作に特化したタイプ | 商材情報などを入力し、訴求設計から広告動画までを作る | 広告向けの構成づくりと本数の確保、配信後の改善との連携 | 対応範囲や連携先は製品ごとに違うため、公式情報での確認が必須 |
1つのツールが複数タイプにまたがることもあります。タイプはあくまで比較の出発点として使い、実際の機能は各社の公式情報で確認してください。
タイプ別の代表的なツール
ここでは各タイプの代表的なツールを、各社の公式ページで確認できた範囲で紹介します。機能、対応範囲、料金、商用利用の条件は頻繁に更新されるため、導入前に必ず最新の公式情報を確認してください。「広告での使いどころ」は、公式ページの記載をもとにした当記事の見立てです。
テキスト・画像から生成するタイプ
Runway

- 何ができるか:公式サイトによると、テキストからの動画生成や画像からの動画生成などの生成ツールを提供しています。Gen-4の公式ページでは、参照画像1枚から、複数のシーンにわたって人物・物体・場所の一貫性を保てると説明されています。
- 広告での使いどころ:撮影が難しいイメージ映像や、ブランドの世界観を伝える短い素材づくりに向きます。訴求の設計や台本は別に用意し、最終的な編集は人が行う想定です。
Kling AI

- 何ができるか:公式ページでは、テキストプロンプトまたは静止画から動画を生成でき、音声も同時に生成できると案内されています。
- 広告での使いどころ:商品や人物のイメージ映像を、静止画から動かして素材化する用途が考えられます。意図どおりの映像に近づけるには、試行と調整が必要です。
※OpenAIの動画生成サービス「Sora」は、公式ヘルプで、WebとアプリのSoraが2026年4月26日に終了したと案内されています。APIも2026年9月24日に終了する予定です。導入候補に入れる場合は、提供状況に注意してください。
アバター・ナレーションで話すタイプ
HeyGen

- 何ができるか:公式サイトによると、テキスト・画像・音声を入力して、ナレーション、字幕、映像、アニメーションを備えた動画を作れます。自分の顔と声を使うパーソナルアバターにも対応しています。
- 広告での使いどころ:商品やサービスの説明、担当者が話しかける形式の紹介動画に向きます。アバターの表現が自社ブランドに合うかは、事前の確認が必要です。
Synthesia

- 何ができるか:公式ページでは、AIアバターと音声で動画を作れ、140以上の言語に対応すると案内されています。プロンプト、台本、資料から動画を作るアシスタント機能も紹介されています。
- 広告での使いどころ:サービスの仕組みや使い方を丁寧に説明する動画や、複数言語に展開する説明動画に向きます。
テンプレート編集型
Canva

- 何ができるか:公式ページによると、ドラッグ&ドロップのエディタで、プロモーションなどに使えるテンプレートから動画を作れます。AI動画ジェネレーターのページでは、テキストのプロンプトから、音声を含む動画クリップを生成できると案内されています。
- 広告での使いどころ:手持ちの素材と文言をテンプレートに当てはめ、プロモーション動画やサイズ違いを素早く仕上げる用途に向きます。訴求の設計や素材の用意は人が担う想定です。
Vrew

- 何ができるか:公式サイトによると、音声認識による字幕の自動生成、500以上のAIボイスによるナレーション、キーワードからの脚本と動画の作成に対応しています。MacとWindows、Ubuntuで使えます。
- 広告での使いどころ:字幕やナレーションを付けた説明動画を、テキストを編集する感覚で素早く仕上げる用途に向きます。凝った演出が必要な場合は、別の編集ツールとの併用を想定します。
※CanvaやVrewのテンプレート、素材、音声を広告に使う場合の条件は、後述の「商用利用・品質面で確認しておくこと」に沿って、各社の最新の規約で確認してください。
広告制作に特化したタイプ
Zidea(当社サービス)

- 何ができるか:公式サイトで提供している当社サービスです。LPのURLを入れると、AIが訴求軸・台本・絵コンテを作ります。AIアバター、映像生成、編集、効果音やモーションの演出まで、1つのツールで動画広告を作れます。配信後の分析・改善も、同じ流れで回せます。
- 広告での使いどころ:URLから素早く動画広告を作りつつ、台本・映像・テロップ・演出など直したい部分を細かく編集したい場合に向きます。日本語の広告づくりを前提に作っています。
Creatify

- 何ができるか:公式ページによると、商品ページのURLから素材を取得し、台本を作って、配信できる動画広告を作ります。広告動画メーカーのページでは、AIアバター、ナレーション、広告のバリエーション生成にも対応すると案内されています。
- 広告での使いどころ:商品URLを起点に、訴求違いの広告動画を複数作って比較する用途に向きます。公式ページは英語での案内で、日本語や国内媒体への対応状況は確認できていないため、導入前に確認してください。
Omneky

- 何ができるか:公式サイトによると、画像、動画、UGC風の広告を生成し、Meta、Google、TikTokなどに配信するAIクリエイティブプラットフォームです。サポートページでは、クリエイティブの生成、インサイト、配信の各ツールを1つの画面にまとめていると説明されています。
- 広告での使いどころ:広告の生成から配信、成果の確認までを1つの流れで回したい運用に向きます。日本語や国内の配信環境への対応状況は確認できていないため、導入前に確認してください。
Zideaの特徴・料金・自社運用での実証は、後述の「広告特化タイプの一例:Zidea(当社サービス)」で詳しく紹介します。
広告制作での使い分けの考え方
広告で成果を出すには、1本の完成度よりも、複数の訴求を試して勝ちパターンを見つけることが重要になる場面が多くあります。そのため、使い分けは「何本、どのくらいの速さで、どの水準のものが要るか」で考えると判断しやすくなります。
- ブランドイメージや世界観を伝えたい:テキスト・画像から生成するタイプで素材を作り、人が編集で仕上げる。
- サービスの仕組みや使い方を丁寧に説明したい:アバター・ナレーションタイプが向く。
- 手持ちの素材を活かし、サイズ違いや文言違いを素早く出したい:テンプレート編集型が向く。
- 訴求軸ごとに多くの本数を作って検証し、配信後の改善まで回したい:広告特化タイプを検討する。
複数タイプを組み合わせる運用も現実的です。たとえば、広告特化タイプで検証用の本数を作り、ブランド訴求の映像だけ別のタイプで補う、といった形です。
当社の判断軸:当社(株式会社zokujin)が広告用途でツールを選ぶ際に、最も重視したのは品質です。ただし、ここでの品質は、映像の綺麗さやリアルさだけを指しません。「綺麗なグラフィックだけ」「リアルなだけ」では、実際の動画広告には使えないと判断したためです。映像、台本、編集、効果音(SE)やモーションなどの演出を自由に組み合わせ、その組み合わせ全体を高品質にできるかどうかを基準にしました。これは当社の所感であり、すべての広告主に当てはまる基準ではありません。
目的と社内体制から選ぶ基準
機能の多さではなく、自社の目的と体制に合うかで選びます。次の5つの基準で整理すると、比較表が作りやすくなります。
- 目的:認知獲得か、獲得(CV)重視か。目的により必要な動画の種類と本数が変わります。
- 制作本数と頻度:月に何本、どの頻度で入れ替えるか。検証を重視するほど、1本あたりの工数が効いてきます。
- 社内の制作スキル:動画編集者やクリエイターがいるか。いない場合は、設計から任せられる範囲の広さが重要です。
- 訴求設計の担当:台本や訴求軸を誰が考えるか。ここをツールが担えるか、人が担うかで選択肢が変わります。
- 配信・分析との接続:作った後の配信、分析、改善を同じ流れで回せるか、別の運用になるか。
体制別の目安は次のとおりです。
- 動画クリエイターがいる:生成タイプやテンプレート編集型で素材づくりを効率化し、人が仕上げる運用がしやすい。
- クリエイターがいない・少人数:台本から動画まで一貫して支援するタイプが有力。
- 外注が中心:外注費と納期の削減が目的なら、外注との役割分担(検証用はAI、ブランド訴求は外注など)を決めて比べる。
制作工程のどこをAIで効率化できるか
動画広告の制作は、大きく「企画→台本→素材→編集→配信後の改善」に分けられます。ツールごとに支援する範囲が異なるため、どの工程の負担が大きいかを先に特定しておくことが大切です。
| 工程 | AIで効率化しやすいこと | 人が担うべきこと |
|---|---|---|
| 企画 | 訴求軸の洗い出し、案出し | 商材理解に基づく優先順位づけ、ブランドとの整合確認 |
| 台本 | 構成案や台本のたたき台づくり | 表現のチェック、誇大表現や法令・媒体規約の確認 |
| 素材 | 映像・画像・音声の生成や合成 | 権利面と品質の確認、ブランドらしさの調整 |
| 編集 | テンプレート適用、字幕、サイズ展開 | 最終の見た目と流れの確認 |
| 配信後の改善 | 成果データを踏まえた改善案の作成、バリエーション作成 | 施策の判断と、改善の方向性の決定 |
当社が試した際の所感:当社(株式会社zokujin)は、これまで多くのAI動画ツールを試してきました。以下は、当社が試した範囲での所感です。製品の優劣ではなく、「広告に使うには何が足りなかったか」という観点でまとめています。
- Google Veo:当社の利用範囲では、生成時のポリシー制限が厳しく、子どもや肌の露出を含む表現が生成できないことが多くありました。そのため、商材によっては広告に使いにくい場面がありました。
- KlingやRunwayなどの生成型:ショット単位の映像は作れます。一方、台本や編集までは担わないため、これだけで動画広告そのものができるわけではありません。「どんな広告が売れるか」という知見がツールの中にたまらず、人に偏ったままになる点も課題でした。
- OmnekyやCreatifyのような広告特化型:商品を綺麗に見せる表現が得意です。ただし、当社の所感では、バナーが動くような表現が中心でした。ストーリーで訴求する日本の動画広告の作り方には、合いにくいと感じました。
こうした課題を踏まえ、当社のZideaは、映像・台本・編集・演出を組み合わせて作れるようにしています。動画広告を本気で作りたい方向けのツールとして設計しています。
商用利用・品質面で確認しておくこと
広告として配信する場合、「作れるか」より「そのまま使ってよいか」が重要です。導入前に、次の点を確認します。
- 商用利用の可否:利用プランごとに商用利用の条件が違う場合があります。無料プランと有料プランの差も確認してください。
- クレジット表記の要否:ツールや素材によっては表記が必要な場合があります。
- 素材の権利:生成物、素材ライブラリ、音声、音楽、アバターなどの権利と利用範囲を確認します。
- 人物・実在物の扱い:肖像や既存の著作物、商標に似ていないか、人の目でチェックします。
- 広告媒体の規約と表現:配信先の広告ポリシーや、景品表示法などの表現ルールに沿っているかを確認します。
- 品質:映像の破綻、不自然な音声や字幕、誤った文言がないか、公開前に必ず人が確認します。
利用規約は更新されることがあるため、導入時だけでなく定期的な見直しも必要です。
広告特化タイプの一例:Zidea(当社サービス)
ここでは広告特化タイプの一例として、当社・株式会社zokujinが提供する動画広告AI「Zidea(ジデア)」を紹介します。自社サービスのため、記載は当社が公開できる範囲の情報に限ります。
概要:商材ページ(LP)のURLを入力すると、AIが訴求軸の分析、台本、絵コンテを作り、動画広告の制作までを行います。配信→分析→改善のループまで一気通貫で回せることが特徴です。
Zideaは動画広告に特化しているため、AIアバター(人物が話す動画)、映像生成、台本、編集、効果音(SE)やモーションなどの演出までを、1つのツールで扱えます。この記事で紹介した4タイプのうち、広告に必要な機能をまとめて使える位置づけです。
広告特化型の中でのZideaの特徴
当社のZideaは、LPのURLを入れるだけで動画広告を作れる手軽さと、自分で直したい部分(台本・映像・テロップ・演出など)を細かく編集できる自由度を両立させています。URLから自動で作って終わりではなく、表現を細かく作り込める点が、当社が考える広告特化型のツールの中でのZideaの違いです。
使い方の流れ
- LPのURLを入力します。お試しには無料アカウントの作成が必要で、新規登録で4,400円分のクレジットがもらえます(カード登録は不要)。
- AIがLPを読み込み、訴求軸・台本・絵コンテを自動で設計します。
- 内容を確認・調整し、最短数十分で配信できる動画が完成します。
自社運用での実証(お客様の成果ではありません)
- 制作の効率(外注比較の目安と自社実績):1本の制作時間は8時間から30分に、1本の制作コストは2万円から2,000円以下に、検証できる本数は1本から20本になりました。
- 配信1ヶ月・週次改善の自社運用:CPAは24,000円から14,800円(-38%)、CVRは1.8%から2.6%(+44%)に改善しました。ROASは制作費込みで+92%(制作費を除くと+62%)です。
これらは自社運用での実証であり、他の環境で同じ結果になることを保証するものではありません。
料金(税込表記は公式の料金ページで確認してください)
| プラン | 月額 | 月間ZC | 本数の目安 |
|---|---|---|---|
| Light | 9,800円 | 500 ZC | 約5本 |
| Standard | 29,800円 | 1,700 ZC | 約17本 |
| Pro | 59,800円 | 3,500 ZC | 約35本 |
ZCは都度購入もでき、1 ZCは22円です。自動更新で、いつでも解約できます。
向いているケース:動画広告の本数を増やして勝ちパターンを検証したいが制作が追いつかない、社内に動画クリエイターがいない、外注の制作費と納期を下げたい、動画広告の表現を細かく作り込みたい、といった場合です。対応媒体や機能の詳細は、公式情報で確認をお願いします。
タイプを絞り込む選定フロー
迷ったら、次の順に質問に答えて絞り込みます。
- まず目的を決める:成果指標は認知か、獲得か。獲得で検証本数が必要なら、手順2へ進みます。ブランド表現が中心なら、生成タイプやテンプレート編集型を検討します。
- 訴求設計を誰が担うか:ツールに任せたい場合は広告特化タイプ、人が設計済みなら手順3へ進みます。
- 話す動画が必要か:解説や説明が中心ならアバター・ナレーションタイプを検討します。
- 素材は手元にあるか:既存素材があり、編集と展開を効率化したいならテンプレート編集型が有力です。
- 権利と確認体制:候補を2〜3件に絞ったら、商用利用の条件、権利、社内の確認フローを確認します。
- 自社の商材で試す:同じ商材・同じ条件で試作し、制作時間、手直しの量、仕上がりを比べて決めます。
試作では、「何分で作れたか」だけでなく、「公開できる品質にするまでに、何時間かかったか」を記録すると、導入後のギャップを減らせます。
まとめ
AI動画作成ツールは、「生成」「アバター・ナレーション」「テンプレート編集」「広告特化」の4タイプで整理すると、違いが見えやすくなります。選ぶときは、機能の多さではなく、目的、必要な本数、社内体制、配信後の改善まで含めた運用で判断することが大切です。
導入前には、商用利用や素材の権利、品質の確認フローを必ず整えてください。そのうえで、候補を絞って自社の商材で試作し、制作時間と手直しの量を比べると、納得感のある判断ができます。
動画広告の本数を増やして検証したい場合は、広告特化タイプの1つとして、当社のZideaも比較対象に加えてみてください。

