化粧品の広告を作りたいけれど、どこまで言っていいのか分からない。「シミが消える」「ニキビが治る」がダメなのは知っていても、体験談やビフォーアフター、インフルエンサーの投稿、動画の注釈はどう扱えばいいのか。化粧品の広告を作る人には、こうした迷いがよくあります。
この記事では、医薬品医療機器等法(薬機法)、厚生労働省の「医薬品等適正広告基準」とその解説、日本化粧品工業会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」、消費者庁のステルスマーケティング規制と打消し表示の資料をもとに、化粧品の広告で使える表現と使えない表現を整理します。そのうえで、動画広告で特に注意したい体験談、ビフォーアフター、アニメーション、ナレーション、注釈の扱いを解説します。最後に、Zideaで化粧品の動画広告を作るときに、どう手間を減らせるかを紹介します。
なお、この記事は公的な資料をもとにした一般的な解説で、個別の広告が法令に合っているかを判断するものではありません。判断に迷う表現は、薬事に詳しい専門家や、各都道府県の薬務の窓口に相談してください。
化粧品の広告を縛る3つのルール

| ルール | 中身 | 誰が対象か |
|---|---|---|
| 薬機法 第66条 | 名称、製造方法、効能、効果について、虚偽や誇大な広告をしてはならない。医師などが保証したと誤解させる広告も同じ | 「何人も」=メーカーだけでなく、広告代理店、制作者、インフルエンサーも含め誰でも |
| 医薬品等適正広告基準(厚生労働省) | 化粧品の効能の範囲、保証や最大級の表現、推薦などのルール。テレビ、Web、SNSなどすべての媒体が対象 | 広告をするすべての人 |
| 景品表示法(消費者庁) | 広告であることを隠すステルスマーケティング、見落とされる打消し表示など | 広告主(商品を売る事業者) |
薬機法の第66条に違反すると、違反していた期間の売上の4.5%の課徴金を命じられることがあります(課徴金が225万円未満なら命じられません)。罰則は「二年以下の拘禁刑若しくは二百万円以下の罰金」で、会社にも罰金が科されます。
業界の自主基準である日本化粧品工業会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」は、2026年7月24日に「改訂α版」が公開されています。法令ではありませんが、厚生労働省の基準の解釈の範囲で、化粧品の例を具体的に示した資料です。
(出典:e-Gov 医薬品医療機器等法、厚生労働省 医薬品等の広告規制について、医薬品等適正広告基準の改正について、日本化粧品工業会 適正広告ガイドライン)
化粧品で言える効能は「56項目」の範囲だけ

化粧品の広告で言える効能は、厚生労働省の通知で決められた56項目の範囲を超えてはいけません。主なものを、部位ごとに分けると次のとおりです。
| 部位 | 言える効能の例(56項目から) |
|---|---|
| 肌 | 肌を整える、肌のキメを整える、肌荒れを防ぐ、皮膚にうるおいを与える、皮膚の乾燥を防ぐ、肌にはりを与える、肌にツヤを与える、日やけを防ぐ、日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ、乾燥による小ジワを目立たなくする |
| 髪・頭皮 | 頭皮・毛髪を清浄にする、毛髪にはり・こしを与える、毛髪につやを与える、フケ・カユミを抑える、枝毛を防ぐ |
| 口唇・爪 | 口唇の荒れを防ぐ、口唇にうるおいを与える、爪を保護する |
「乾燥による小ジワを目立たなくする」は、決められた試験で効果を確かめた場合に限られます。また、「日やけによる」「乾燥による」のような、効能を絞る言葉は省略できません。「シミ・ソバカスを防ぐ」とだけ書くのは不可で、「日やけによる」も同じくらい伝わる形で付けます。
56項目のほかに、事実であれば言えるものもあります。
- メーキャップの効果:「化粧くずれを防ぐ」「小じわを目立たなく見せる」「みずみずしい肌に見せる」
- 使用感:「清涼感を与える」「爽快にする」
いずれも「見せる」「感じる」の範囲で、肌そのものが変わるとは言えません。
薬用化粧品(医薬部外品)との違い
「薬用」の化粧品(医薬部外品)は、品目ごとに承認された効能を言えます。たとえば「美白」は薬機法の効能ではないため、薬用化粧品で使うなら「*メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」のように承認された効能を一緒に書きます。シワを改善する効能も、医薬部外品として個別に承認を受けた場合に限り、承認の範囲で言えます。普通の化粧品の広告では、「薬用」という言葉自体を使えません。
(出典:化粧品の効能の範囲の改正について、医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について、化粧品等の適正広告ガイドライン 改訂α版)
化粧品の広告で使えない表現
| 種類 | 使えない表現の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 医薬品のような効能 | 治る、治療、改善、回復、再生、発毛、シミが消える、ニキビが治る | 医薬品に使う言葉で、化粧品では使わない |
| 効能の範囲を超える | シワを予防する、タルミを解消する、顔痩せ効果、デトックス、幹細胞コスメ | 56項目の範囲を超える |
| 効果や安全性の保証 | これさえあれば、副作用なし、安全性は確認済み、赤ちゃんにも安心、天然成分だから安全 | 効果や安全を保証することになる |
| 最大級の表現 | 最高のききめ、世界一、効き目No.1、安全性No.1 | 最大級の表現に当たる |
| 効き目の速さ | すぐ効く、塗ってすぐに変わる | 認められた範囲を超える |
| 推薦 | 皮膚科医が推薦、大学との共同研究、特許取得、厚生労働省認可 | 事実でも「推薦」の広告に当たる |
| 浸透 | 肌の奥まで浸透 | 言えるのは「角質層まで」 |
「売上No.1」は、効き目や安全性のNo.1ではないため、最大級の表現の禁止の例からは外れています。ただし、日本化粧品工業会のガイドラインは、客観的な調査にもとづき、調査会社や調査期間などの出典を明らかにすることを条件にしています。
「低刺激」「アレルギーテスト済み」も、立証されていない場合や、キャッチフレーズとして強調する場合は使えません。アレルギーテスト済みと書くなら、「全ての方にアレルギーが起こらないということではありません」のような注意書きを、近くに同じくらい目立つように書きます。
(出典:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について、化粧品等の適正広告ガイドライン 改訂α版)
動画広告で特に注意したい5つのこと
1. 体験談は「使用感」まで
使った人の声は、効果の裏付けにはならないとされています。言えるのは、使い方、使い心地、香りなど、効能や安全性以外の感想です。
| 言える体験談の例 | 言えない体験談の例 |
|---|---|
| 「しっとりした使い心地が私の好みに合っています。」 | 「肌が明るくなったのでビックリしました。」 |
| 「使いやすいので忙しい私にピッタリ、助かっています。」 | 「こんなにハリがでるなんて。」 |
| 「女性らしいライトフローラルの香りが好きです。」 | 「眼の下の小ジワにうれしい変化が!」 |
「※個人の感想です」と書いても、効能の体験談は認められません。消費者庁の調査でも、体験談を見た人は「たいていの人に効く」と受け取り、「個人の感想です」の注釈に気づいても、その受け取り方はほとんど変わらないとされています。UGC風の広告を作るときも同じです。
2. ビフォーアフターは、化粧品で言える範囲だけ
厚生労働省は、効能の範囲を超えるものでなければ、使う前と後の写真や映像を使えるとしています。
- 原則として差し支えない例:汚れた肌と洗った後の肌、乾燥した角層と保湿した角層、フケのある頭皮とシャンプー後の頭皮
- 認められない例:「シミ、ソバカスを防ぐ」効能を、使う前と後の写真で比べること(「防ぐ」は写真では表せないため)
比べる写真は、同じ条件で撮り、加工していないものでなければいけません。効果が出るまでの時間や、続く時間を約束するような見せ方もできません。
3. アニメーションは「保証」にしない
成分が肌に浸透する場面や、炎症が消える場面をアニメーションで見せるときは、効能を保証する表現にならないよう注意が必要です。浸透は「角質層まで」です。誇張しすぎたアニメーションや、不快感を与えるもの、品位に欠けるものも避けます。
4. ナレーションの強調も「強調表示」
厚生労働省の解説では、音声でも、大きく発音する、一音ずつ切って発音する、「よーく」と強く伸ばすといった言い方は、強調表示に当たるとしています。文字だけでなく、声の言い方も確認します。
5. 注釈(打消し表示)は、見落とされない出し方で
「※乾燥による」のような注釈は、強調した言葉と同じ画面に、読める大きさ・色・時間で出します。消費者庁の調査では、
- 集めた動画広告のうち、42.4%は注釈の表示が2秒以下でした
- 15秒の動画で、注釈を画面の下に2秒だけ文字で出した例では、強調した言葉に気づいた人の92.5%が注釈を見落としていました
消費者庁は何秒以上という基準は示していませんが、強調した言葉を音声でも言うなら注釈も音声で伝える、強調と注釈を別の画面に分けない、といった点を判断の材料に挙げています。
(出典:医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)、医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について、化粧品等の適正広告ガイドライン 改訂α版、消費者庁 打消し表示に関する留意点、消費者庁 打消し表示に関する実態調査報告書(概要))
インフルエンサーの投稿とステマ規制
2023年10月1日から、広告であることを隠すステルスマーケティングは、景品表示法の違反になりました。企業がインフルエンサーなどに頼んで投稿してもらうものも、広告に含まれます。
- 規制の対象は広告主:頼まれて投稿したインフルエンサーは、景品表示法では対象になりません。ただし、薬機法の第66条は「何人も」なので、投稿の内容が虚偽や誇大なら、投稿した本人も薬機法の対象になりえます
- 分かりやすい表示:「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」、または「A社から商品の提供を受けて投稿している」のような文
- 分かりにくい表示の例:動画で、認識できないほど短い時間だけ表示する。長い動画の途中や最後にだけ表示する。たくさんのハッシュタグの中に埋もれさせる
インフルエンサーに依頼するときは、「PR」の表示の位置と時間と、話してよい内容(使用感まで)を、事前に伝えておきます。
(出典:消費者庁 ステルスマーケティングは景品表示法違反となります、消費者庁 運用基準)
動画広告を作るなら、動画広告に特化したAIツールZideaもおすすめ

化粧品の動画広告は、言える表現の範囲が狭いぶん、効能ではなく、使い心地や香り、使う場面、メーキャップの見え方で、どう興味を持ってもらうかの工夫が必要です。言い方を変えたパターンをいくつも作って比べられると、ルールを守りながら反応のよい表現を探せます。
Zideaは、LPのURLを入れるだけで、AIが訴求軸の分析から台本・絵コンテ・動画広告の制作までを行う、動画広告に特化したAIツールです。化粧品の動画広告づくりで、Zideaで減らせるところは次のとおりです。
- 言い方を変えたパターンづくり:商品のLPのURLを入れると、AIが訴求軸を分析し、台本と絵コンテから動画まで作ります。冒頭や訴求を変えたパターンもまとめて作れるので、「使い心地で入る版」「使う場面で入る版」のように並べて比べられます
- 台本の言い換え:台本・映像・テロップ・演出は、自分で細かく直せます。56項目の範囲を超える言葉が入っていたら、その場で言える表現に書き換えられます。注釈のテロップも自分で直せます
- 演者の手配:AIアバターが話す動画や、漫画・アニメの見た目の動画も作れるので、モデルや演者を手配しなくても、話して紹介する動画を作れます
- 手本からの構成づくり:参考にしたい広告の動画のリンクを入れるだけで、その構成を自社の商品の広告に横展開できます
料金は、Lightプランが月額9,800円(約5本分)、Standardプランが月額29,800円(約17本分)、Proプランが月額59,800円(約35本分)です。
Zideaを運営する株式会社zokujinの自社運用での実証では、1本の制作時間が8時間から30分に、検証できる本数が1本から20本に増えました(お客様の成果ではなく、自社の運用結果です)。
試すには無料アカウントの作成が必要です。新規登録すると絵コンテを1本無料で作れます。動画は7日間の無料トライアルがあります。

こんな広告動画が、URL ひとつで
まとめ:化粧品の動画広告を出す前のチェックリスト
- 言っている効能は、56項目の範囲か(薬用化粧品なら承認の範囲か)
- 「日やけによる」「乾燥による」のような、効能を絞る言葉を省いていないか
- 治る、改善、シミが消える、副作用なし、No.1(効き目・安全性)などを使っていないか
- 体験談は、使い心地・使い方・香りまでか(「個人の感想です」で救済されない)
- ビフォーアフターは、化粧品で言える範囲で、同じ条件で撮り、加工していないか
- 浸透などのアニメーションは「角質層まで」で、保証になっていないか
- ナレーションで、効能を強く言い過ぎていないか
- 注釈は、強調した言葉と同じ画面に、読める大きさと時間で出しているか
- インフルエンサーの投稿に「PR」などを、分かりやすい位置と時間で表示しているか



