動画広告を作りたいけれど、出てくれる演者がいない。撮影の手配も、撮り直しの費用も重い。そんなときに検討されるのが、AIアバターです。人物が話す動画を、撮影なしで作れます。ただ、ツールが多く、どれが無料で使えるのか、広告に使ってよいのか、どう作れば「AIっぽい」と思われないのかが分かりにくいものです。
この記事では、AIアバター動画を作れる主なツールを、無料の範囲・料金・広告での商用利用の条件を公式情報で確かめたうえで比べます。そのうえで、広告に使うAIアバター動画の作り方と、実在の人物や表示のルールで気をつけることを、実務の流れに沿って解説します。
AIアバター動画でできること:広告で役立つ場面
AIアバター動画は、人物(アバター)を選び、台本を入れると、その人物が台本を話す動画を作ってくれるものです。声も、AIの読み上げで付けられます。
| 広告での使い方 | 何が楽になるか |
|---|---|
| 人物が商品を紹介する縦型の動画広告 | 演者の手配と撮影がいらない。台本を直すだけで作り直せる |
| 冒頭のひと言だけを変えた、何パターンもの広告 | 同じ人物のまま、冒頭の台本だけを差し替えて比べられる |
| 年代や性別の違う人物で、同じ台本を試す | 演者を何人も呼ばずに、だれが話すと反応が良いかを比べられる |
| 社長や担当者が自分で話す動画 | 本人のアバターを作れば、毎回撮影しなくても本人が話す動画を作れる |
当社の現場の感覚では、外部の演者を1日撮影すると約10万円かかり、本数を増やすほど費用が積み上がります。広告は何本も作って比べるほど当たりが見つかるので、演者の費用をかけずに本数を増やせることが、AIアバターを広告に使う一番の利点です。
一方で、AIアバターだけで成果が出るわけではありません。広告の成果を決めるのは、だれに何を言うかという訴求と台本です。アバターは、その台本を届ける話し手だと考えます。
AIアバター作成ツールの選び方:広告に使うなら5つを確かめる
| 確かめること | なぜ大事か | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 広告に使ってよいか | 無料プランでは商用利用できないツールが多い。用意されたアバターを有料広告に使えないツールもある | 料金ページと利用規約で、プランごとの商用利用と、広告での利用の条件を見る |
| 透かしが入るか | 無料プランでは透かしが入ることが多く、広告には使いにくい | 料金ページの比較表で「透かしなし」が付くプランを見る |
| 日本語で自然に話すか | 読み上げの抑揚や、口の動きと声のずれは、見る人が一番気づきやすい | 無料枠で、実際に使う台本を日本語で話させて確かめる |
| 縦型で作れるか | TikTok、Instagramリール、YouTubeショートなどの広告枠は縦型が中心 | 機能ページやヘルプで、9:16で書き出せるかを見る |
| 自分のアバターの作り方と同意の条件 | 社長や社員のアバターを作るときは、本人の同意が条件になっている | ヘルプと規約で、本人確認や同意の手順を見る |
状況別の選び方
| 今の状況 | 選ぶもの |
|---|---|
| まず無料で、AIアバター動画がどんなものか試したい | HeyGen、Synthesia、Vidnoz(無料プランは透かし付き。広告に使うなら有料プランへ) |
| 商品ページのURLから、アバターが話す広告動画を手早く作りたい | Creatify、Arcads |
| 社長や担当者のアバターを作り、本人が話す動画を続けて出したい | HeyGen、Synthesia、D-ID(本人の同意の手順を確認のうえ) |
| アバターだけでなく、台本・映像・テロップまで入った日本向けの動画広告を作りたい | Zidea(当社サービス) |
AIアバター作成ツールおすすめ7選:比較表
各社の公式サイトで確かめた内容です(2026年10月時点)。料金は公式ページの表示のまま載せています。
| ツール | 無料で使えるか | 有料プランの料金 | 広告での商用利用 |
|---|---|---|---|
| Zidea(当社) | 新規登録で絵コンテを1本無料。動画は7日間の無料トライアル | Light 月額9,800円〜 | 動画広告を作るためのサービス |
| HeyGen | 月3本・1本1分まで。透かし付き | Creator 月額29ドル(年払いで月約24ドル) | 無料プランで作った動画は広告に使えない |
| Synthesia | 月10分まで。透かし付き | Starter 月額4,690円(年払いで月2,980円) | 用意されたアバターは有料広告に使えない。自分で作ったアバターは本人との合意の範囲で使える |
| D-ID | 14日間のトライアル(3分)。全面に透かし | Lite 年払いで月4.7ドル、Pro 年払いで月16ドル | トライアルとLiteは個人利用のみ。商用利用はPro以上 |
| Vidnoz | 1日60秒分・1本3分まで。720p・透かし付き | Starter 年払いで月19.99ドル | 料金ページのプラン比較で条件を確認 |
| Creatify | 月10クレジット(動画広告2本分)。透かし付き | Standard 年払いで月12ドル | 作った広告はチャネルを問わず使えると公式に記載 |
| Arcads | 3日間の無料トライアル(公式サイトの表示) | 公式サイトで料金表を確認できず | 利用者が登場人物の肖像の権利を確保する責任を負う |
(出典:HeyGen 料金・利用規約、Synthesia 料金・動画の利用許諾、D-ID 料金・利用規約、Vidnoz 料金、Creatify 料金、Arcads 利用規約)
各ツールの特徴と、実務での使いどころ
1. Zidea(当社サービス):アバターだけでなく、台本・映像まで入った動画広告を作る

- ひとことで:LPのURLを入れるだけで、AIが訴求を分析し、台本・絵コンテから、AIアバターが話す動画広告まで作る、動画広告に特化したサービスです
- こんな時に役立つ:アバターが話すだけの動画ではなく、商品の映像やテロップ、効果音まで入った、そのまま配信できる広告を作りたいとき
- 他との違い:日本の、ストーリーで訴求する動画広告づくりを前提にしています。台本・映像・テロップ・演出は細かく直せます。参考にしたい広告の動画のリンクを渡すと、その構成や映像を自社の広告に横展開することもできます
2. HeyGen:無料で試しやすく、自分のアバターも作れる

- ひとことで:用意されたアバターに台本を話させるほか、自分のアバターを作って話させられるツールです。無料プランでも自分のアバターを1体作れます
- こんな時に役立つ:まず無料で、AIアバター動画の出来を確かめたいとき。リップシンクの機能ページでは、日本語に吹き替えた声にも口の動きを合わせられると説明しています
- 広告に使うときの注意:利用規約で、無料プランで作った動画を、広告やクライアントの仕事を含む商用の目的に使うことを禁じています。広告に使うなら有料プランにします。商品ページのURLから動画を作る機能や、UGC風の広告を作る機能もあります
3. Synthesia:研修や説明の動画に強い。広告では自分のアバターを使う

- ひとことで:用意されたアバターが多く、社内研修や説明の動画を作る用途で広く使われているツールです
- こんな時に役立つ:自社の担当者のアバターを作り、商品の使い方の説明動画を続けて出したいとき
- 広告に使うときの注意:公式ヘルプでは、用意されたアバター(ストックアバター)を、Facebook・Instagram・YouTubeの有料広告や、あらゆる有料の宣伝に使うことを禁じています。自分で作ったアバターなら、その本人との合意の範囲で使えます。広告に使うなら、自分のアバターを作ることが前提になります
4. D-ID:写真1枚から、話す人物の動画を作る

- ひとことで:顔写真から、話す人物の動画を作れるツールです
- こんな時に役立つ:手元の人物写真を使って、短い説明の動画を作りたいとき
- 広告に使うときの注意:利用規約で、トライアルとLiteプランは個人利用のみと定めています。商用利用できるのはProプラン以上です。作った動画には、合成であることを示す印が入り、消したり目立たなくしたりすることは禁じられています
5. Vidnoz:無料の範囲で、毎日少しずつ作れる

- ひとことで:用意されたアバターとテンプレートが多く、無料プランでも1日60秒分まで動画を作れるツールです
- こんな時に役立つ:費用をかけずに、アバターやテンプレートを色々試したいとき
- 広告に使うときの注意:無料プランは720pで透かしが入ります。広告に使う場合は、料金ページのプラン比較で、商用利用と透かしの条件を確かめます
6. Creatify:商品ページのURLから、アバターが話す広告動画を作る

- ひとことで:商品ページのURLから、アバターが商品を紹介する広告動画を作る、広告向けのツールです。Amazon、Shopify、アプリストアなどのリンクに対応しています
- こんな時に役立つ:通販の商品で、アバターが話す広告動画を手早く何本も作りたいとき。対応言語に日本語も含まれています
- 広告に使うときの注意:無料プランは透かしが入ります。作った広告は、プランが終わったあとも含めてチャネルを問わず使えると公式に記載しています
7. Arcads:UGC風の広告動画を、AIの演者で作る

- ひとことで:AIの演者がスマホで撮ったような、UGC風の広告動画を作るツールです。顔写真から自分の演者を作ったり、縦型の9:16に作り直したりもできます。公式サイトでは3日間の無料トライアルを案内していますが、料金表は公式サイトで見つかりませんでした
- こんな時に役立つ:TikTokやInstagramリールに出す、利用者の口コミ風の広告を試したいとき
- 広告に使うときの注意:利用規約では、登場人物の肖像の権利を確保する責任は利用者にあると定めています。口コミ風の広告は、後の章で解説する「広告であることを隠さない」ルールにも気をつけます
AIアバターで広告動画を作る手順
ツールが違っても、広告に使うAIアバター動画を作る流れは同じです。

- 訴求を1つに絞り、台本を書く:だれのどんな悩みに、商品の何が効くのかを1つに絞ります。最初の3秒で、見る人の悩みの場面を言います
- 話し手のアバターを選ぶ:届けたい相手に合わせて、年代・性別・服装を選びます。商品を「使っている人」として話させるのか、「詳しい人」として説明させるのかも決めます
- 声を選び、読みを直す:読み上げを聞いて、読み間違いや不自然な間を直します。商品名や数字は、読み方を指定できる機能があれば使います
- 商品の映像とテロップを足す:アバターが話しているだけの動画は、見続けてもらいにくくなります。話の途中で商品の映像に切り替え、要点はテロップで見せます
- 冒頭を変えたパターンを作って比べる:同じアバターのまま、冒頭のひと言だけを変えた動画を何本か作り、反応の良いものを残します
縦型動画の広告の作り方は、動画広告の作り方の記事で、台本の書き方から詳しく解説しています。
「AIっぽい」と思われないためのコツ
- アバターを長く映し続けない:口の動きや表情の小さな不自然さは、長く映すほど目立ちます。数秒ごとに商品の映像や場面に切り替えます
- 読み上げの抑揚を確かめる:日本語の読み上げで、語尾や区切りが不自然だと、すぐに気づかれます。実際の台本を、必ず通しで聞いて直します
- 台本を話し言葉で書く:文章をそのまま読ませると、説明書を読んでいるように聞こえます。人が話すときの短い文で書きます
AIで作った動画広告が不自然に見える理由と対策は、AI動画広告の作り方の記事でも解説しています。
AIアバターを広告に使うときの注意:権利と表示のルール
- 実在の人物のアバターは、本人の同意を取る:HeyGenの利用規約は、本人の同意なく人物の画像をアップロードすることや、他人になりすます動画を作ることを禁じています。Synthesiaも、写真から自分のアバターを作るときに、本人の同意の確認を求めています。社員や知人であっても、広告に使うことまで含めて本人の了承を取ります
- 用意されたアバターを広告に使えるかを確かめる:ツールによっては、用意されたアバターを有料広告に使えません。比較表の条件と、各社の最新の規約を確かめます
- 広告であることを隠さない:2023年10月から、広告であることを隠して、第三者の感想のように見せる表示(ステルスマーケティング)は、景品表示法の不当表示になりました(出典:消費者庁 ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制)。AIアバターに利用者の体験談のように話させる場合も、広告であることが分かる形で出します
- 効果を言い過ぎない:アバターのセリフでも、商品の効果を事実より大きく見せると、景品表示法の不当表示にあたるおそれがあります。化粧品や健康食品では、薬機法で言えない表現もあります
- AIで作ったことの表示を確かめる:Metaは、AIで作られたと判断した画像や動画に「AI情報」のラベルを付けています(出典:Meta AI生成コンテンツへのラベル表示)。広告を出す媒体ごとに、AIで作った動画の表示のルールを確かめます
UGC風の広告を作るときのルールはUGC広告の作り方の記事で、生成AIで作った動画を広告に使う条件は動画生成AIの商用利用の記事で詳しく解説しています。
AIアバターが話す動画広告を、台本からまとめて作る:Zidea(当社サービス)
当社(株式会社zokujin)が運営するZideaは、LPのURLを入れるだけで、AIが訴求軸の分析から台本・絵コンテ・動画広告の制作までを行う、動画広告に特化したサービスです。AIアバター、映像生成、編集、効果音やモーションなどの演出まで1つのツールで扱えるので、アバターが話す動画に、商品の映像やテロップを自分で足す手間がかかりません。
健康食品の広告。AIで作った人物が、見る人に語りかける形で商品を紹介する
退職後の給付金制度の広告。AIで作った人物が、見る人の不安に寄り添って制度を説明する
どちらも、演者を立てず、撮影もせずに作った縦型の動画広告です。台本・映像・テロップ・演出は細かく直せ、冒頭を変えたパターンもまとめて作れます。
参考にしたい広告の動画のリンクを渡せば、その構成や映像を自社の広告に横展開することもできます。自社のブランドの情報を整えたら、あとは手本の広告のリンクを貼るのが一番楽な作り方です。競合の広告の調べ方は、Meta広告ライブラリの使い方の記事で解説しています。
料金は、Lightプランが月額9,800円(約5本分)、Standardプランが月額29,800円(約17本分)、Proプランが月額59,800円(約35本分)です。
当社の自社運用での実証では、1本の制作時間が8時間から30分に、検証できる本数が1本から20本に増えました(お客様の成果ではなく、当社自身の運用結果です)。
試すには無料アカウントの作成が必要です。新規登録すると絵コンテを1本無料で作れます。動画は7日間の無料トライアルで、カード登録が必要です。

こんな広告動画が、URL ひとつで
まとめ:AIアバターを広告に使う前のチェックリスト
- 使うプランで広告に使えるか、透かしが入らないかを公式の料金ページと規約で確かめたか
- 用意されたアバターを有料広告に使ってよいツールかを確かめたか
- 実在の人物のアバターを作るとき、広告に使うことまで含めて本人の同意を取ったか
- 訴求を1つに絞り、最初の3秒で悩みの場面を言う台本にしたか
- 日本語の読み上げを通しで聞き、読み間違いや不自然な間を直したか
- アバターを長く映し続けず、商品の映像とテロップを足したか
- 体験談のように見せる場合も、広告であることが分かる形にしたか
- 冒頭を変えたパターンを作り、比べる予定を立てたか



