Instagramリール広告を始めたいけれど、通常のInstagram広告とどう違うのか、どこで設定すればいいのかが分からない。フィード用に作った動画をそのまま流しても、思ったほど反応がない。リール広告を任された担当者が、よく行き詰まるところです。
この記事では、リール広告の表示のされ方、出し方、費用、入稿の決まりをMetaの公式情報で整理したうえで、成果が出る縦型動画の作り方を、公式のデータと事例、台本の例、AIでの作り方まで具体的に解説します。
Instagramリール広告とは:リールを見ている最中に出る縦型の広告
リール広告は、利用者が縦型の短い動画(リール)を次々に見ているときに、リールの合間に表示される全画面・縦型の広告です。
リール広告が表示されるのは、利用者がリールを見る専用の画面(リールビューア)を開いているときです。リールビューアには、次の3つの入り口があります(出典:Meta for Business「リール広告」)。
- 専用の[リール]タブ
- [発見]タブのリール
- フィードの中のリール
| 特徴 | 実務での意味 |
|---|---|
| 縦型・全画面で、通常のリールと並んで流れる | 通常のリールと同じ見た目・テンポで作るとなじむ |
| 次々にスワイプされる | 最初の数秒で見る理由を作れないと、すぐに次へ進まれる |
| 画面の上下に、アカウント名・説明文・ボタンが重なる | 文字や商品は、隠れない範囲(セーフゾーン)に置く |
フィード広告は、投稿を縦にスクロールして見ている中に出ます。リール広告は、全画面で動画を見ることに集中している人に出るので、縦型・音ありで、リールらしいテンポの動画が求められます。
Instagramリール広告の出し方
リール広告は、Meta広告マネージャで通常どおりキャンペーンを作り、配置でリールを選ぶことで配信できます(出典:Meta for Business「リール広告」)。

- キャンペーンを作る:広告マネージャで、目的(売上、リード、トラフィックなど)を選んでキャンペーンを作ります。
- 広告セットで配置を選ぶ:配置は次の2つから選びます。
- Advantage+ 配置(おすすめ):Facebook、Instagram、Messengerなどすべての配置に配信され、FacebookリールとInstagramリールの両方が入ります。予算が効率よく使われるように、Metaが自動で配信先を選びます。
- 手動配置:[ストーリーズとリール]の[Instagramリール]にチェックを入れます。Metaは、6つ以上の配置を選ぶことをすすめています。
- 広告を作る:リール用の縦型の動画をアップロードします。すでにInstagramに投稿したリールを広告にしたい場合は、[既存の投稿を使用]からそのリールを選びます。クリエイターとのブランドコンテンツなら[パートナーコンテンツ]から選びます。
- 審査を経て配信する:設定を送信すると審査が行われ、承認されると配信が始まります。
実務でのポイント:リールだけに出したいとき以外は、Advantage+ 配置でリールを含めて配信し、結果を見ながら判断するのが基本です。ただし、その場合もリールでの見え方(縦型、セーフゾーン)に合った動画を入れておくことが大切です。
Instagramリール広告の費用
リール広告の配信費は、Instagram広告全体と同じく、広告主が決めた予算の範囲で、オークションによって配信されます。予算は、日予算か通算予算で決めます。
Metaは公式に、予算を5米ドル以上で始め、7日以上配信することをすすめています(出典:Meta「広告の料金」)。
配信を始めたばかりは成果が安定しない:学習期間の考え方
当社の運用の経験では、配信を始めたばかりの広告は、成果がまず安定しません。広告アカウントにまだデータがたまっておらず、配信先を選ぶMetaのAIが、どんな人に届けると成果が出るのかを学習できていないためです。Metaはこの期間を「情報収集期間」と呼んでいます(出典:Metaビジネスヘルプセンター「情報収集期間について」)。最初の数日は調子が出なくても、慌てて止めたり設定を何度も変えたりしないことが大切です。
学習期間をどう乗り切るかは、実務では次のように考えます。
| やり方 | 良いところ | 気をつけること |
|---|---|---|
| ターゲットを手動で絞る | 最初から狙った人に届けられる | どこを絞るかの現場感が要る。成果の出る思わぬ層を見逃すおそれがある |
| 最初は、学習させる地点(最適化の目標)をクリックなどに置く | 件数が集まりやすく、AIの学習が早く進む | クリックする人と購入する人は同じとは限らない。データがたまったら目標を切り替える |
| 最初から、申し込みや購入(CV)を学習させる地点に置く | 成果に直結する人を正確に学習できる | 件数が少ないと、学習に時間がかかる |
ターゲットは広めに置いてAIに探させ、最初はクリックなど件数の集まりやすい地点で学習を進め、データがたまったらCVに切り替える、というのが進め方の1つです。
動画の制作費の目安は、動画広告の作り方の費用の章で、依頼先ごとの公式の料金をまとめています。
Instagramリール広告の入稿の決まり
| 項目 | 決まり・推奨 |
|---|---|
| 縦横比 | 9:16 |
| 解像度 | 1,440×2,560ピクセル |
| 長さ | 0秒〜15分 |
| ファイル | MP4、MOV |
| 文字を置かない範囲 | 上部14%、下部35%、左右6%には、文字やロゴなどの重要な要素を置かない |
| 字幕・音声 | 字幕は使用を推奨。音声は強く推奨 |
音楽の注意:Instagramで流行っている曲でも、権利の許諾がない音楽を広告に使うことはできません。Metaは使用料無料の音源のライブラリ(Meta Sound Collection)を用意しており、広告マネージャから画像広告に音楽を付ける機能もあります。動画に音楽を入れるときは、権利がはっきりした音源を使います。
成果が出るInstagramリール広告の動画の作り方
ここからが、リール広告の成果をもっとも大きく左右する部分です。
Metaの公式のデータ:「縦型・音あり・セーフゾーン」の3つで差が出る
Metaは、縦9:16で、音声付きで、重要なメッセージをセーフゾーンに収めた動画広告を入れたキャンペーンでは、リールへの配信が2倍に増え、結果の単価が34.5%下がったと公表しています(出典:Meta for Business「リール広告」)。
逆に言えば、横型やフィード用の動画をそのまま流すと、リールではこの差を取り逃がします。まず、この3つを満たすことが最低条件です。
公式の事例:ROBINMAY
台湾のハンドバッグブランドROBINMAYは、手持ちの素材を使って、リールの基本(縦型、音あり、セーフゾーン)に沿った動画を作り、通常のキャンペーンに足しました。A/Bテストの結果、リール動画を足したキャンペーンは、足さなかった場合と比べて、購入の単価が38%下がり、広告費用対効果が1.6倍になりました(出典:Meta for Business「ROBINMAYの成功事例」)。
この事例のポイントは、新しく撮影したのではなく、手持ちの素材をリールの基本に合わせて作り直しただけで成果が出たことです。
実務での作り方

- 縦型・音あり・セーフゾーンの3つを守る:文字と商品は画面の中央寄りに置き、上下の帯にはかからないようにします。
- 訴求を1つに決める:見る人に一番伝えたい便益を1つだけ選び、1本の動画で1つの便益を伝えます。
- 冒頭は、見る人の悩みや場面から入る:スワイプされる前に「自分のことだ」と思ってもらうため、商品名やロゴから始めないようにします。
- リールらしいテンポで、話しかける:カットを細かく切り替え、友人に話しかけるような言葉でナレーションやテロップを入れます。
- 訴求や冒頭を変えた動画を複数入れて比べる:1本で判断せず、訴求ごとに動画を作って比べます。
15秒の台本の例(架空の商品)
雨の日、髪が広がって朝からやり直し、ありませんか。でも、出かける前に何度もブローする時間はない。だから、乾かす前にこれをひと吹き。それだけで、夕方までまとまったまま。しかも、香りは強すぎない。レビューでいちばん多いのは「雨の日が怖くなくなった」という声です。詳しくは、下のボタンから。
- 0〜3秒:見る人の場面(雨の日の髪)を、問いかけで言い当てる
- 3〜10秒:「でも」「だから」で次を予告しながら、便益(ひと吹きでまとまる)を言い切る
- 10〜13秒:「しかも」で、気になりやすい点(香り)に先回りして答える
- 13〜15秒:実際に集まった声として言える形で反応を伝え、何をしてほしいかを言う
台本と構成の作り方は、動画広告の作り方で、書き直し前と後の例とあわせて詳しく解説しています。
AIでInstagramリール広告の動画を作る方法
リール広告では、訴求や冒頭を変えた縦型の動画を何本も用意して比べるほど、効く動画が見つかりやすくなります。AIを使うと、この本数を少ない手間で用意できます。
| やること | AIでどう速くするか |
|---|---|
| 訴求を決める | レビューやLPをAIに読ませ、訴求の候補を出す |
| 台本を書く | 訴求ごとに、冒頭を変えた台本を何パターンも書かせる |
| 動画を作る | 縦型の映像、ナレーション、テロップまでAIで作る |
| 手持ちの素材を作り直す | ROBINMAYのように、手持ちの横型の素材や写真を、縦型・音ありのリール向けの動画に作り直す |
| 比べる | 配信の結果をまとめさせ、次に試す訴求や冒頭の案を出させる |
Metaの広告マネージャにも、画像を縦型に合わせて生成AIで広げる機能や、Advantage+ クリエイティブで広告を補正する機能があります。どの機能を使う場合も、伝えたい訴求とずれていないかを、配信前にプレビューで確かめます。
AIで作った動画を広告に使うときの規約や権利の注意は動画生成AIの商用利用で、AIで作る方法の違いや「AIっぽい」と思われないための直し方はAI動画広告の作り方で解説しています。
Instagramリール広告を出すときの注意点
- フィード用の動画をそのまま流さない:横型や正方形の動画は、リールの画面でなじみにくくなります。縦型に作り直します。
- セーフゾーンに文字を収める:上部14%と下部35%には、アカウント名や説明文、ボタンが重なります。
- 音楽は権利がはっきりしたものを使う:流行りの曲でも、許諾がなければ広告に使えません。
- 広告であることが分かるようにする:クリエイターの投稿を広告にするときも、広告であることが分かるようにします(ステルスマーケティングの規制)。
- AIの人物に、実在しない体験を語らせない:体験談は、実際に集まったお客様の声の範囲で書きます。
リール広告の縦型動画をAIで量産する:Zidea(当社サービス)
当社(株式会社zokujin)が運営するZideaは、LPのURLを入れるだけで、AIが訴求軸の分析から台本・絵コンテ・動画広告の制作までを行う、動画広告に特化したサービスです。AIアバター、映像生成、編集、効果音やモーションなどの演出まで1つのツールで扱え、台本・映像・テロップ・演出は細かく編集できます。リール広告で比べるための、訴求や冒頭が違う縦型の動画広告を、まとめて作れます。
当社の自社運用での実証では、1本の制作時間が8時間から30分に、検証できる本数が1本から20本に増えました(お客様の成果ではなく、当社自身の運用結果です)。
試すには無料アカウントの作成が必要です。新規登録で4,400円分のクレジットがもらえ、カード登録は不要です。

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まとめ:Instagramリール広告を始める前のチェックリスト
- 配置は、Advantage+ 配置か、手動で[Instagramリール]を選んだか
- 予算は5米ドル以上、7日以上の配信で判断するつもりか
- 配信の初めは学習期間で安定しないことを見込み、学習させる地点(クリックかCVか)を決めたか
- 動画は9:16・音あり、文字は上部14%・下部35%・左右6%を避けて置いたか
- 音楽は権利がはっきりしたものを使ったか
- 訴求を1つに絞り、冒頭で見る人の悩みや場面を言い当てているか
- 訴求や冒頭を変えた動画を複数入れて、比べる準備をしたか
- AIで作った動画を、規約と表示のルールに沿って確かめたか



