YouTubeショート広告を試したいけれど、どのキャンペーンで出せるのか、費用はどう決まるのかが分からない。出せたとしても、上にスワイプされる前に何を見せればいいのか、通常のYouTube広告と同じ動画でいいのかで迷う。ショート広告を任された担当者が、よくつまずくところです。
この記事では、YouTubeショート広告の表示のされ方、出し方、費用、入稿の決まりをGoogleの公式情報で整理したうえで、成果が出る縦型動画の作り方を、公式の事例と台本の例、AIでの作り方まで具体的に解説します。
YouTubeショート広告とは:ショートの合間に出る縦型の広告
YouTubeショート広告は、YouTubeのショート動画を縦にスワイプして見ていく流れの中に、動画と動画の間に表示される広告です。
| 特徴 | 実務での意味 |
|---|---|
| ショートの動画と動画の間に、縦型の全画面で出る | 通常のショート動画と同じ見た目で作るとなじむ |
| 上か下にスワイプすれば、すぐにスキップできる | 最初の数秒で見る理由を作れないと、すぐに次へ進まれる |
| 画面の右側に高評価・コメント・共有のボタンが出る | 通常の投稿と同じように反応をもらえる |
| 広告主のチャンネル名と説明文が表示される | 説明文は全角45文字以内で、1行で伝わるように書く |
(出典:Google広告ヘルプ「ショートの広告」、YouTubeヘルプ)
通常のYouTube広告(インストリーム広告)は、見たい動画の前や途中に流れます。ショート広告は、見る人が自分でスワイプして次々に動画を見ている最中に出るため、指が止まるかどうかが勝負になります。
YouTubeショート広告の出し方
ショート広告は、Google広告の次のキャンペーンで配信できます(2026年10月時点)。
| キャンペーンの種類 | ショートへの出し方 |
|---|---|
| 動画視聴、動画リーチ | 広告フォーマットの設定で「YouTube ショート」をオンにする |
| デマンド ジェネレーション | 配信面の1つとしてショートに出る |
| P-MAX | 配信面の1つとしてショートに出る |
| アプリ(インストール、エンゲージメント) | 配信面の1つとしてショートに出る |
(出典:Google広告ヘルプ、YouTube動画広告の課金について)
実務での手順
- 広告に使う縦型の動画を、YouTubeに「公開」か「限定公開」でアップロードする
- Google広告で、目的に合ったキャンペーンを作る(動画を見てもらうなら動画視聴、申し込みや購入ならデマンド ジェネレーションなど)
- 動画視聴や動画リーチのキャンペーンでは、広告フォーマットで「YouTube ショート」をオンにする
- 動画を追加し、プレビューでショートでの見え方を確かめる
YouTubeショート広告の費用:何が起きたら料金がかかるか
ショート広告の課金は、主に次の2つです。
| 課金の方式 | 料金がかかるとき |
|---|---|
| 視聴に応じた課金(広告視聴単価) | 10秒見られたとき(10秒未満の広告は最後まで見られたとき)、またはCTA・高評価・コメント・共有のボタンが押されたとき |
| 表示回数に応じた課金(目標インプレッション単価) | 広告が表示された回数に応じて |
(出典:Google広告ヘルプ「YouTube 動画広告の課金について」)
通常のスキップ可能なインストリーム広告は「30秒見られたとき」に料金がかかるのに対し、ショート広告は10秒が基準です。視聴に応じた課金なら、最初の数秒でスワイプされた表示には料金がかかりません。動画の制作費の目安は、動画広告の作り方の費用の章で、依頼先ごとの公式の料金をまとめています。
配信を始めたばかりは成果が安定しない:学習期間の考え方
当社の運用の経験では、配信を始めたばかりの広告は、成果がまず安定しません。広告アカウントにまだデータがたまっておらず、配信先を選ぶGoogleのAIが、どんな人に届けると成果が出るのかを学習できていないためです。Googleは、自動入札で目標に向けて調整している間を「学習中」と表示し、コンバージョンが50回ほど発生するか、コンバージョンのサイクルが3回ほど回ると、調整が終わる可能性があるとしています(出典:Google広告ヘルプ「キャンペーンの学習期間の長さと、それに影響を与える要因」)。最初の数日は調子が出なくても、慌てて止めたり設定を何度も変えたりしないことが大切です。
学習期間をどう乗り切るかは、実務では次のように考えます。
| やり方 | 良いところ | 気をつけること |
|---|---|---|
| ターゲットを手動で絞る | 最初から狙った人に届けられる | どこを絞るかの現場感が要る。成果の出る思わぬ層を見逃すおそれがある |
| 最初は、学習させる地点(最適化の目標)をクリックなどに置く | 件数が集まりやすく、AIの学習が早く進む | クリックする人と購入する人は同じとは限らない。データがたまったら目標を切り替える |
| 最初から、申し込みや購入(CV)を学習させる地点に置く | 成果に直結する人を正確に学習できる | 件数が少ないと、学習に時間がかかる |
ターゲットは広めに置いてAIに探させ、最初はクリックなど件数の集まりやすい地点で学習を進め、データがたまったらCVに切り替える、というのが進め方の1つです。
YouTubeショート広告の入稿の決まり
| 項目 | 決まり・推奨 |
|---|---|
| 縦横比 | 縦9:16を推奨(横・正方形にも対応) |
| 長さ | 最大3分。ただし、ショートのフィードで再生されるのは最初の60秒だけなので、60秒未満を推奨。行動を促すなら10〜30秒がよいとされる |
| 音 | 音楽やナレーションを入れることを推奨 |
| CTAボタン | P-MAX、アプリ、デマンド ジェネレーションでは広告の開始から3秒後、動画視聴キャンペーンでは10秒後に表示される |
| 見出し・説明文 | 見出しは全角20文字、説明文は全角45文字が推奨 |
(出典:Google広告ヘルプ「ショートの広告: アセットの仕様とベスト プラクティス」)
CTAボタンが出るまでの秒数は、動画の作り方にも関わります。動画視聴キャンペーンなら、ボタンが出る10秒後までに、見る人に「もっと知りたい」と思わせておく必要があります。
成果が出るYouTubeショート広告の動画の作り方
ここからが、ショート広告の成果をもっとも大きく左右する部分です。

Googleの公式の推奨
Googleは、ショート広告のクリエイティブについて、次のことを推奨しています(出典:Google広告ヘルプ)。
- スマートフォンで見ることを前提にした、縦型・音ありの動画にする
- 広告らしく作り込むより、ほかのショート動画になじませる
- クリエイターが作ったオリジナルの素材を活かす
公式の事例に見る、成果が出た作り方
| 会社 | 何をしたか | 結果 |
|---|---|---|
| サントリー「烏龍茶」 | 若い世代に「古い飲み物」と思われている課題に対し、人気クリエイター4人の既存の素材に、キャッチコピー・商品写真・音楽を足すだけのシンプルな構成にした。あえて企業ロゴや商品カットを冒頭に出さなかった | リーチ1,200万以上、視聴完了310万回以上 |
| 日本ハム「シャウエッセン」 | 「パリッとした食感」と「ジューシーな味」の2つの訴求軸に合うクリエイターと組み、10本のショート動画を作った | ショートの再生900万回以上。商品の認知が5.4ポイント、詳しい認知が16.7ポイント上がった |
(出典:Think with Google「YouTube Works Awards Japan 2024」、「YouTube Works Awards Japan 2025」)
2つの事例から読み取れるのは、冒頭で広告だと身構えさせないことと、訴求ごとに本数を作ることです。烏龍茶は冒頭にロゴを出さず、普段のショートと同じように見てもらう入り方を選びました。シャウエッセンは、訴求軸を2つに絞ったうえで、10本に作り分けています。
実務での作り方
- 訴求を1つに決め、訴求ごとに動画を分ける:1本に複数の便益を詰め込まず、訴求ごとに別の動画にします。
- 冒頭は、商品名やロゴではなく、見る人の悩みや場面から入る:スワイプされる前に「自分のことだ」と思ってもらうことを優先します。
- 10秒までに、便益を言い切る:課金の基準も、動画視聴キャンペーンでCTAボタンが出るのも10秒です。10秒までに、何が良くなるのかを伝えておきます。
- 全体は20〜30秒に収める:行動を促す広告なら10〜30秒がよいとされています。最後の数秒で、何をしてほしいかを言います。
20秒の台本の例(架空の商品)
夜、子どもを寝かしつけたあと、自分のごはんを作る気力ってありますか。でも、何も食べないのは体に悪い。だから、冷凍庫にこれを入れておくことにしました。レンジで3分、それだけで具だくさんのスープが1杯。しかも、野菜が1日に必要な量の半分とれる。レビューでいちばん多いのは「夜の自分を助けてくれる」という声です。気になった人は、下のボタンから。
- 0〜3秒:見る人の場面(寝かしつけのあと)を、問いかけで言い当てる
- 3〜10秒:「でも」「だから」で次を予告しながら、便益(3分で1杯)を言い切る
- 10〜16秒:「しかも」で根拠を足し、実際に集まった声として言える形で反応を伝える
- 16〜20秒:何をしてほしいかを言う
(例の中の数字は、架空の商品の設定です。実際の広告では、根拠のある事実だけを使います)
台本と構成の作り方は、動画広告の作り方で、書き直し前と後の例とあわせて詳しく解説しています。
AIでYouTubeショート広告の動画を作る方法
シャウエッセンの事例のように、ショート広告では訴求ごとに何本も作って比べることが成果につながります。AIを使うと、この本数を少ない手間で用意できます。

| やること | AIでどう速くするか |
|---|---|
| 訴求を決める | レビューやLPをAIに読ませ、訴求の候補を出す |
| 台本を書く | 訴求ごとに、冒頭を変えた台本を何パターンも書かせる |
| 動画を作る | 縦型の映像、ナレーション、テロップまでAIで作る |
| 横型や長さ違いを作る | 同じ台本から、縦型・横型、15秒版・30秒版を作り分ける |
| 比べる | 配信の結果をまとめさせ、次に試す訴求や冒頭の案を出させる |
AIで作った動画を広告に使うときは、ツールの規約や権利、表示のルールを確かめます。詳しくは動画生成AIの商用利用、AIで作る方法の違いや「AIっぽい」と思われないための直し方はAI動画広告の作り方で解説しています。
YouTubeショート広告を出すときの注意点
- 最初の60秒しか再生されない:60秒を超える動画は、ショートのフィードでは途中までしか見られません。伝えたいことは60秒以内に収めます。
- 長尺のインストリーム広告をそのまま流用しない:横型で、冒頭にロゴを出すような作りの動画は、ショートのフィードでなじみにくくなります。ショート向けに縦型で作り直します。
- CTAボタンの位置と秒数を意識する:画面の下の方にはボタンや説明文が重なります。大事な文字や商品は、画面の中央寄りに置きます。
- AIの人物に、実在しない体験を語らせない:体験談は、実際に集まったお客様の声の範囲で書きます。
ショート広告の縦型動画をAIで量産する:Zidea(当社サービス)
当社(株式会社zokujin)が運営するZideaは、LPのURLを入れるだけで、AIが訴求軸の分析から台本・絵コンテ・動画広告の制作までを行う、動画広告に特化したサービスです。AIアバター、映像生成、編集、効果音やモーションなどの演出まで1つのツールで扱え、台本・映像・テロップ・演出は細かく編集できます。ショート広告で比べるための、訴求や冒頭が違う縦型の動画広告を、まとめて作れます。
当社の自社運用での実証では、1本の制作時間が8時間から30分に、検証できる本数が1本から20本に増えました(お客様の成果ではなく、当社自身の運用結果です)。
試すには無料アカウントの作成が必要です。新規登録で4,400円分のクレジットがもらえ、カード登録は不要です。

こんな広告動画が、URL ひとつで
まとめ:YouTubeショート広告を始める前のチェックリスト
- 目的に合ったキャンペーンを選び、動画視聴・動画リーチなら「YouTube ショート」をオンにしたか
- 課金の基準(10秒の視聴、またはボタンの操作)を理解したか
- 動画は縦9:16で、60秒未満(行動を促すなら10〜30秒)に収めたか
- 冒頭はロゴや商品名ではなく、見る人の悩みや場面から入っているか
- 10秒までに、便益を言い切っているか
- 訴求ごとに動画を分け、本数を用意して比べる準備をしたか
- AIで作った動画を、規約と表示のルールに沿って確かめたか



