健康食品やサプリメントの広告を作りたいけれど、どこまで言っていいのか分からない。「疲労回復」「免疫力を高める」「腸活」は使えるのか。機能性表示食品なら効果を言っていいのか。体験談やビフォーアフター、インフルエンサーの投稿はどう扱えばいいのか。健康食品の広告を作る人には、こうした迷いがよくあります。
この記事では、厚生労働省の「医薬品の範囲に関する基準」(46通知)、消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項」、各法律の条文、業界の自主基準、各媒体の広告の決まりをもとに、健康食品・サプリの広告で使えない表現と、動画広告で特に注意したい点を整理します。最後に、ルールを守った動画広告をつくる手間を、Zideaでどう減らせるかを紹介します。
なお、この記事は公的な資料をもとにした一般的な解説で、個別の広告が法令に合っているかを判断するものではありません。判断に迷う表現は、薬事や食品表示に詳しい専門家、各都道府県の窓口に相談してください。
健康食品の広告にかかる3つの法律

| 法律 | 何を禁じているか | 罰則など |
|---|---|---|
| 薬機法 | 医薬品のような効能や飲み方をうたうと、承認を受けていない医薬品の広告になる(第68条) | 拘禁刑や罰金、広告の中止などの命令 |
| 健康増進法 | 健康の保持増進の効果について、著しく事実と違う、または著しく誤認させる表示(第65条)。美容の効果(美肌など)も含まれる | 勧告、命令。命令に従わないと6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 景品表示法 | 実際より著しく良く見せる表示(優良誤認)。消費者庁に根拠の資料を求められ、出せなければ違反とみなされる | 措置命令、課徴金(売上の3%。10年以内の再違反は4.5%) |
健康増進法は「何人も」としていて、消費者庁のQ&Aでは、広告の媒体の会社や、広告代理店も対象になり得るとしています。
消費者庁は、インターネットで売られている健康食品の表示を見回っていて、2025年度は589事業者・641商品に改善を指導しました。
(出典:消費者庁 健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項、健康増進法、景品表示法、健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A、消費者庁 インターネットの健康食品等の表示の改善指導)
健康食品の広告で使えない表現

効能の表現は、3つに分けて確かめる
消費者庁の留意事項は、特定の言葉の使用を一律に禁止するものではなく、違反かどうかは広告全体から1つずつ判断するとしています。そのうえで、表現は次の3つに分けて確かめます。
医薬品的な効能に当たり得る例
医薬品としての承認を受けない限り、健康食品では表示できない表現です。
| 種類 | 例(公的な資料から) |
|---|---|
| 病気の治療や予防 | 「糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に」「便秘改善」「花粉症に効果あり」「認知症予防」「生活習慣病予防」「アレルギー症状を緩和する」 |
| 体の働きを強くする | 「疲労回復」「体力増強」「老化防止」「若返り」「アンチエイジング」「免疫力を高める」「脂肪燃焼を促進!」「集中力を高める」「細胞の活性化」 |
ただし、栄養の補給や健康の維持についての表現は、医薬品のような効能には当たらないとされています。
健康についての訴求として、根拠と広告全体で判断される例
言葉だけで違反かどうかは決まりませんが、遠回しでも健康の効果をうたう表示として扱われます。根拠がなかったり、広告全体で実際より大きな効果があると思わせたりすると、誇大表示になるおそれがあります。名前や推薦を通して病気の予防や治療をうたえば、上の医薬品的な効能と同じ扱いになります。
| 種類 | 例(公的な資料から) |
|---|---|
| 名前やキャッチフレーズで示す | 「腸活」「妊活」「血液サラサラ」「デトックス〇〇」「スリム〇〇」「カラダにたまった余分なものをスッキリ」 |
| 悩みを並べて示す | 「こんなお悩みありませんか?疲れが取れない。健康診断で〇〇の指摘を受けた」 |
| 推薦や調査で示す | 「〇%の医師がおすすめと回答」「管理栄養士が推奨する成分を配合」 |
| 国などに認められたと示す | 「〇〇国政府認可」「消費者庁承認」「WHO許可」 |
保健機能食品で表示できる範囲
保健機能食品は、それぞれ決められた範囲の中で、健康の効果を表示できます。範囲を超えると、誇大表示などに当たるおそれがあります(詳しくは次の章)。
| 種類 | 表示できる範囲 | 例(公的な資料から) |
|---|---|---|
| 特定保健用食品(トクホ) | 国の審査で許可を受けた表示の内容まで | 「本品はおなかの調子を整えます」 |
| 機能性表示食品 | 届け出た表示の内容まで。国の許可を受けたと思わせない | ― |
| 栄養機能食品 | 国の基準で決められた栄養成分の機能まで | 「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です」 |
医薬品のような飲み方
「1日2〜3回、1回2〜3粒」「お休み前に1〜2粒」「食前、食後に1〜2個」のように、飲む時期や間隔、量を薬のように決める表現は、原則として医薬品のような飲み方(用法用量)とみなされます。
一方で、とりすぎや続けてとることで健康被害が起きるおそれがあるなど、合理的な理由があるときは、食品でも、とる時期や量などの目安をむしろ表示すべき場合があるとされています。安全のための摂取の目安量を示すことと、薬のような服用の指示とは分けて考えます。また、栄養機能食品は、時期、間隔、量などのとり方を書いても、医薬品のような飲み方には当たらないとされています。ただし、栄養機能食品でも、「食前」「食後」「食間」のように、ふつうの食品ではとらない時期を示して医薬品と思わせる表現は、医薬品のような飲み方とみなされます。
錠剤やカプセルは、「食品」であることを書いておけば、形だけで医薬品と判断されることはありません。
大げさな表現
- 「飲むだけで、楽に痩せる」「食事を変えなくても、1か月で10kg減」(消費者庁は、運動や食事制限をしても、痩せられるのは6か月で4〜5kg程度までとしている)
- 「最高級」「日本一」「絶対」「誰でも簡単に」
- 根拠や調査の条件を書かない「No.1」
- 試験の条件を書かないグラフや、極端に切り取ったグラフ
- 「購入に満足しているか」という質問の結果を、「〇%が効果を実感」と書く
(出典:厚生労働省 医薬品の範囲に関する基準、消費者庁 健康食品に関する留意事項)
機能性表示食品・トクホでも「言い過ぎ」は違反
| 種類 | 何が認められているか | 言い過ぎの例 |
|---|---|---|
| 特定保健用食品(トクホ) | 国の審査で許可された表示 | 「食後の血中中性脂肪の上昇を抑える」の許可なのに「体脂肪を減らす」と書く。「食後の」を省く |
| 機能性表示食品 | 事業者が科学的な根拠をもとに届け出た表示(国は審査しない) | 「〇〇には、コレステロールを低下させる機能があることが報告されています」の届出なのに「コレステロールを下げる」と、商品そのものに効果があるように書く |
| 栄養機能食品 | 国の基準どおりの栄養成分の機能の表示 | 基準にない成分の機能を書く |
業界の「機能性表示食品」適正広告自主基準(第4版、2026年5月28日)は、届出の表示の「サポート」「助ける」「役立つ」や、「血圧が高めの方の」のような対象者の言葉を省いて切り出さないように求めています。
- ×「血圧が高めの方の血圧を下げる」(届出は「血圧を下げることを助ける機能」)
- ×「認知機能維持!」(届出は「認知機能の一部である記憶力を維持する機能」)
また、この自主基準は、広告に次の5つを書くことをすすめています。
- 「機能性表示食品」であること
- 届け出た機能性の表示
- 「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」
- 国の許可を受けたものではないこと
- 医薬品とは違い、病気の診断、治療、予防を目的としたものではないこと
「特定保健用食品ではありません」と書いても、それだけで大げさな表示に当たらないとは判断されません。2025年3月には、機能性表示食品について「血圧を下げる」などと表示した事業者に、1億903万円の課徴金の納付が命じられています。
なお、2024年の紅麹の問題を受けて、機能性表示食品の制度が改正されました。健康被害の情報の報告の義務、錠剤やカプセルのGMP(製造管理の基準)、表示のしかたの見直しなどが加わり、経過措置は2026年8月31日で終わっています。
(出典:消費者庁 健康食品に関する留意事項、消費者庁 機能性表示食品、「機能性表示食品」適正広告自主基準 第4版、消費者庁 課徴金納付命令(2025年3月19日)、消費者庁 食品表示基準の改正概要)
動画広告で特に注意したい5つのこと
1. 言葉がなくても、映像で効果を言ったことになる
消費者庁の留意事項は、「体脂肪を減らす」という言葉がなくても、体脂肪が減る印象を与える映像や画像を使う広告は、大げさな表示に当たるおそれがあるとしています。引き締まったお腹の映像、使う前と後の比較、作用を強調しすぎたアニメーションには注意します。
2. ナレーションやセリフも「広告」
厚生労働省の基準は、チラシやインターネットの広告だけでなく、「演述」(口での説明)による効能の説明も、医薬品のような効能をうたうものとみなしています。動画のナレーションや出演者のセリフ、テロップのどれで言っても同じです。
3. 体験談は「個人の感想です」で救われない
消費者庁は、「個人の感想です」「効果を保証するものではありません」「軽い運動を併用した結果です」と書いても、大げさな表示に当たるかどうかの判断には影響しないとしています。体験談を使う場合は、体験した人の数と属性、同じような効果が出た人と出なかった人の割合などを、はっきり示すことをすすめています。
4. ビフォーアフターは、言葉がなくても判断される
留意事項の例では、太っていた人が痩せた使用前後の画像と「飲むだけでドンドン落ちる!」を組み合わせた広告について、「痩せる」と直接書いていなくても、全体から短期間で大きく痩せる印象を与えると判断しています。「効果には個人差があります」の注意書きがあっても、判断は変わりません。
5. 動画で言わなくても、LPで言えば同じ広告
東京都のQ&Aは、インターネット広告ではリンク先の内容も同じ広告の一部とみなすとしています。また、LINEヤフーは、成分の効能を語る広告と商品の広告を別々に作って、同じページに載せたり、同じ人に配信したりする手法を、時期をずらしても掲載できないとしています。
(出典:消費者庁 健康食品に関する留意事項、厚生労働省 医薬品の範囲に関する基準、東京都 健康食品ナビ Q&A、LINEヤフー広告 食品、健康食品の掲載基準)
最近の違反の事例
| 時期 | 処分 | 商品 | 何が問題になったか |
|---|---|---|---|
| 2024年11月 | 措置命令(ステマ) | NMNのサプリ | 商品の提供と対価を条件にInstagramへの投稿を頼み、その投稿を自社サイトに「注目度上昇中」などと載せた。頼んだ投稿であることを明らかにしていなかった |
| 2025年3月 | 課徴金 1億903万円 | 機能性表示食品 | 「高めの血圧を下げる機能性サプリ」「血圧をグーンと下げる」など。出した資料は合理的な根拠と認められなかった |
| 2025年6月 | 課徴金 1,086万円 | 機能性表示食品(ダイエット) | アフィリエイトのサイトで「3週間で60.8kg→47.2kgまで痩せた」と引き締まったお腹の画像、「ダイエットサプリNo.1」など |
| 2026年6月 | 措置命令(ステマ) | 子ども向けの栄養食品 | 無償で提供してSNSへの投稿を頼み、その画像を「SNSでも大人気!」と自社サイトに載せた。頼んだことを明らかにしていなかった |
アフィリエイトのサイトの表示でも、広告主が表示の内容に関わっていれば、広告主の表示として扱われます。インフルエンサーやアフィリエイトに頼むときは、話してよい内容と、「PR」などの表示を、事前に決めておきます。
(出典:消費者庁 措置命令(2024年11月13日)、消費者庁 課徴金納付命令(2025年3月19日)、消費者庁 課徴金納付命令(2025年6月30日)、消費者庁 措置命令(2026年6月29日))
広告の媒体ごとの決まり
| 媒体 | 主な決まり |
|---|---|
| LINEヤフー | 医薬品のような効能をうたう広告は掲載できない。「美肌」「腸内スッキリ」「おなかすっきり」「目をケア」なども、体の特定の部分への作用を匂わせるとして掲載できない例に挙がっている。「ここでは薬機法の関係で効果・効能は書けません」のような匂わせも不可 |
| Meta | ダイエットや減量に関わる商品の広告は、18歳以上だけに届ける設定が必要 |
| TikTok | 減量や筋肉増強の主張は18歳以上に限る。運動や食事なしで、その商品だけで痩せられるような主張は禁止 |
| 未承認のサプリメントのリストにある商品や、承認なしに病気の予防や治療に効くと示す広告は禁止 |
(出典:LINEヤフー広告 食品、健康食品の掲載基準、Meta 健康とウェルネス、TikTok 体重管理の広告ポリシー、Google 広告ポリシー ヘルスケア、医薬品)
効能を言わずに伝える動画を、どう作り分けるか
健康食品の動画広告は、効能を言えないぶん、飲みやすさ、続けやすさ、味、生活のどんな場面で取り入れるかなど、ルールの中で伝えられることで興味を持ってもらう必要があります。どの伝え方が反応を取れるかは、実際に比べてみるまで分かりません。しかも、前の章で見たとおり、言葉だけでなく映像、ナレーション、テロップ、リンク先のLPまでが確かめる対象です。伝え方を変えるたびに、そのすべてを作り直して見直すことになります。
当社が提供している動画広告AIのZideaでは、商品のLPのURLを入れると、AIが訴求軸を分析し、台本と絵コンテから動画まで作ります。冒頭や訴求を変えたパターンもまとめて作れるので、「続けやすさで入る版」「生活の場面で入る版」のように、効能に頼らない伝え方を並べて比べられます。
できあがった動画は、台本・映像・テロップ・演出を自分で細かく直せます。ナレーションに使えない言葉が入っていればその場で言える表現に書き換え、機能性表示食品の届出表示や、すすめられている注意書きをテロップで入れてから仕上げられます。体が変わる印象を与える映像になっていないかも、場面ごとに差し替えながら確かめられます。モデルや演者を手配しなくても、AIアバターが話す動画や、漫画・アニメの見た目の動画を作れます。参考にしたい広告の動画のリンクを入れれば、その構成を手本に、自社の商品と素材で広告を作ることもできます。
広告を出す前には、作った動画とリンク先のLPが、法律と各媒体の決まりに合っているかを、必ず確かめてください。
株式会社zokujinは、Zideaを使ってクライアントの広告の制作と運用も行っています。受託の案件では、リサーチから台本、編集、過去の素材探しまでで平均でおおよそ8時間かかっていた1本の制作が、Zideaでは約30分になりました。浮いた時間を、表現の確認に充てられます。
試すには無料アカウントの作成が必要です。新規登録すると絵コンテを1本無料で作れます。動画は7日間の無料トライアルがあります。

こんな広告動画が、URL ひとつで
まとめ:健康食品・サプリの動画広告を出す前のチェックリスト
- 病気の治療や予防、体の働きを強くするような表現を、言葉でもテロップでもナレーションでも使っていないか
- 「腸活」「管理栄養士推奨」など、健康の効果を示す名前や推薦に根拠があり、広告全体で言い過ぎになっていないか
- 保健機能食品なら、許可・届出・国の基準で決められた範囲を超えていないか
- 「食前・食後に」「お休み前に1〜2粒」など、薬のような飲み方の指示を見せていないか(安全のための摂取の目安量の表示や、栄養機能食品の例外とは分けて確かめたか)
- 機能性表示食品なら、届出の表示を省かず、切り出さずに使い、すすめられている5つの表示を入れたか
- 体が変わる印象を与える映像(引き締まったお腹、使用前後の比較)を使っていないか
- 体験談に頼りすぎず、「個人の感想です」で済ませていないか
- 頼んだ投稿やアフィリエイトに、「PR」などの表示と、話してよい内容を伝えたか
- リンク先のLPでも、同じルールを守っているか
- 各媒体の決まり(LINEヤフーの掲載できない例、Meta・TikTokの年齢の設定)を守ったか



